今までとちょっと違いを感じたらいつでもご相談ください。

当院の目標

ペットロスについての思い

「ペットロス」に関して、もう一つだけ深い思いを、ここで記しておきます。

近年、高齢化・少子化・都市化・核家族化・機械化などが進み、同時に「ペット」が我々のメンタルな支えになることが多くなりました。これは「いいこと」でもあり「悪いこと」でもある、と私は思っております。本当はもう少し「他者との交流が豊かな」社会であってほしいと思うのですが、IT化などはそういう方向性とは真反対に進んでいるように思われます。しかし、社会の流れが「孤立化」(他者と関わらずに一人で生活できる)方向に進んでいる以上、ペットの役割が重視されるという時代の流れにはなかなか逆らえません。
つまり、「ペット依存の社会」を私は完全には肯定していないのです。

私が違和感を覚えるのは「ペットロス症候群だけを見るカウンセラー」などの「ペットロスに特化した医療を名乗る者」たちが存在している、ということです。それは私に言わせれば間違っています。「喪失反応」は様々同時に存在するかもしれません。例えば「早くに両親を亡くして、自らも最近離婚して、そしてペットを亡くした」というケースなどもありうるわけです。その場合「ペットロスだけは見ますけど、あとは知りません」というのは「ありえない」話で、そういう治療は「危ない」と思います。

そもそも「ペットロス症候群」という言葉自体が、私は間違っていると思います。愛しているものを亡くしたときは、その対象に関わらず、我々には「喪失反応」が起きます。
つまり「ペット」だけを切り出して「ペットロス症候群」という名前を付ける意味はありません。ペットロスは「症候群」ではないのです。「症候群」というのは、「そのときのみに生じる特異な反応」です。「ペットロスだけに生じる喪失反応」というものはありません。ペットロスも、他の喪失反応と同様、「愛していたものを亡くした時の反応」です。

日本の医療はまだまだ理解が薄い現状

もう一つは、こういう「喪失反応」は、ペットロスに限らず、「どこのメンタルクリニック」でも「対応してくれるはず」です。メンタルクリニックとは、そういう仕事です。対象が「ペット」であるだけの話で、それは「配偶者を亡くした」「癌と告知された」と同じことです。しかし残念なことに、「家庭内でペットというものがどのぐらい大きな位置にあるか」ということに関して、日本の医療はまだまだ理解が薄い、というのが現状です。

宣言しますが、私のクリニックは「ペットロス」についての相談を受けますが、そういう相談に関して「うちのクリニックに特化する」気はありません。「ペットロスのことならあいわクリニックへどうぞ」というような「売り文句」にしてはなりません。私の目標とする医療はそんなものではなく、「全国どこのクリニックでも、ペットロスについて気軽に相談できるような社会にしたい」ということです。

ですから、ホームページに「ペットロス」と掲げていますが、私としてはかなり迷いました。いつかこの項目を消去できるような社会(どこのクリニックでも相談できる社会)が実現することを、心から望みます。

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