ペットロス
当クリニックでは「ペットロス」についてもご相談に乗りますが、それには、「人間動物関係学」を長年研究してきた私の思い入れがありますので、ここに少しだけ書いておきます。
結論から申し上げますが、自らが愛して長年一緒に暮らしたペットが亡くなったとき、「ペットロス」と呼ばれる心の反応が起こることは当然のことで、なくてはならないことです。
愛してきたのですから、その反応はあってしかるべきです。
ペットロスと喪失反応
「ペットロス」とは、「ペットが亡くなった(行方不明になったなども含まれます)」のちの、飼い主の反応です。
「愛していたものがいなくなる」とき、我々の心や身体にはその影響が出ます。それを「喪失反応」と呼びます。
「喪失反応」は、愛するものを亡くした時は、その相手がなんであれ、出現します。相手というのは、肉親・きょうだい・配偶者・子供・友人・大切なモノ・自分の身体(怪我とか癌とか)、様々な「喪失」があり、「喪失反応」はだいたい同じ経緯を保ちます。この中で一番つらいのが「自分の子供の喪失」であり、これだけは別格の極端な辛さが生じます。
いずれにせよ、「喪失反応」は、個々で強さや時間経過は異なりますが、「なくてはならないもの(あって当然のもの)」です。この「喪失反応」に関しての研究や対処治療は日々進んでいます。
俗に「ペットロスで鬱になる」という言い方を散見しますが、鬱状態や鬱病にまで至ることはめったにありません。症状は様々であり、不眠や不安、情緒不安定などが出てもおかしくありませんし、「症状」にまではいたらないことが普通です。ただ間違いなく「喪失の悲しみ」は存在し、時間をかけてそれを自らの中で処理していきます。
書いてきた通り「ペットロス」はなくてはならないものですが、なかなか他者からは理解されなかったり、自分でもそれをうまく表現(言語化)できなかったりします。そういう喪失反応が重なったり、他のストレスが同時に起こったりすると、「こじれる」ことがないわけではありません。
その「喪失反応」を一緒に考えていける場を、このクリニックではご提供したいと思っております。
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